【準備】で作ったスクリプトを手に、さっそく練習に入りましょう。
以下の流れで練習をすすめます。
- スクリプトを完全暗記
- 試験で求められる力を足してゆく
- ひたすらアウトプット練習
- 本番をイメージしての練習
スクリプトを完全暗記
スクリプトを見ながらお念仏のようにひたすら繰り返してもいいですし、
自分が物語の世界に入ったつもりで、セリフと感情をセットにして
覚えてもいいです。各自覚えやすい方法で、ここで完全に暗記してしまいます。
ちなみに、私はスクリプトをお話の展開そって、いくつかのグループに分け、
一日最低1グループを完全暗記することを目指しました。できなければ、翌日分にして翌日消化。
子どもが二人とも昼寝をしたラッキーデイには、今を逃すものか!とばかりに、もう2グループ、
の要領で進めました。
洗濯物の取り入れや、お風呂掃除をしながら、入浴中もぶつぶつぶつ。
壁に張ったスプリプトが目に入ったら、そこでも一度ぶつぶつぶつ。
しつこいくらい繰り返しました。
試験で求められる力について考える
試験官が受験者のお話をどんな基準で評価しているかについて確認すると、
3 歳児クラスの子どもに「3分間のお話」をすることを想定し、下記の1~4のお話のうち一つを選択し、
一般社団法人 全国保育士育成協議会HP 令和4年実技試験概要 3)言語に関する技術より
子どもが集中して聴けるようなお話を行う。
求められる力:保育士として必要な基本的な声の出し方、表現上の技術、幼児に対する話し方ができること。
とあります。
「保育士として必要な基本的な声の出し方」と「幼児に対する話し方」とは?
母親が我が子にお話しを聞かるのと、保育士が多数の子にそれをするのとでは、何が違うのか。
その違いが、ずばり「求められる力」です。
私の子たちが幼稚園児だったころ、私は6年ほどにわたって園の読み聞かせボランティア
として積極的に活動し、読み手としての技術も外部講師をお招きして学びました。
そのときの経験と学びの結論は、
笑顔と声が大きいことは絶対必要。それに加え、
大勢の子に声を届けるには、活舌がよいことや、ゆっくり話すことが必要で、
大勢の子を物語の世界に引き込むには、表情(特に目)が豊かであることが必要です。
「表現上の技術」とは?
次に、保育士に求められる「表現上の技術」を具体的に言うと、
- クライマックスの場所
- 読む速度はどうする?
- 緩急の付け所の確認
- 手ぶり身ぶりを入れる場所
- 声の大小と高低は適正か
などに当たります。これを一つずつスクリプトを見ながら確認して、マーカーペンや色ペンで
自分がわかりやすいようにラインや目印を書き込んでゆきます。
一般的に、登場人物が話しているところは声のトーンを変えますし、
ストーリーが大きく明るい方へ展開するところやクライマックスに近づくにつれて、
声は大きく、高く、切迫した感じになりす。反対のシーンでは、声は小さめで低く、
読み方も遅くなります。3歳児向けのお話なので、どのお話を選んでもストーリーは素直でシンプル。
こういう場面だからこうする、と頭で考えて決めるのではなく、自分で声に出して読んでみて
自然に表現が付いてくるものを信じて大丈夫だと思います。あとはその表現の「程度」が適切か
どうかの確認をしましょう。
③声にだして練習
本番に向けて出来上がったお話を、可能なら友だちや家族に協力してもらって、
聞いてもらいましょう。私は毎日決まった時間に自分の子に聞いてもらいました。
この段階で、時間も計り2分55秒から3分でおさまるように何度も
読み方を調整しました。
私はしなかったのですが、タブレットやスマホの録画は、自分で自分を評価でき、
同時に時間も計ることができるのでおすすめです。
④本番をイメージして練習
あなたは今、言語試験の部屋にいます。あなたの真正面、数メートル先には、複数の試験官が
机に座って、あなたの素話をじっくりみながら評価しています。
そして、あなたの少し前には、あなたを取り囲むように15人程の子どもたちが、これから
どんなお話が始まるのかと心待ちにして、かわいいまなざしを向けています。
こんな絵を具体的にイメージして練習を重ねてくださいね。